「ワンダーウーマン」
劇場公開日 2017年8月25日
※本レビューは公開当時のものです。
日本での期待に大幅に下回る興行成績で、結果興行収入においては、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」と同じような位置に収まるようだ。
まあ、そうだろう。しょせん僕のような映画オタクの観る映画。世界興行はあくまで旬の勢い。日本は邦高洋低の興行スタイルが続く限り、劇場の箱のスケジュール、買い付けのタイミング等に振り回される。
それはさておき、ライバル、マーヴェル社長も本作を褒めたという。
それはそうだ。
ヒーロー映画の飽和状態から抜け出せないのはマーヴェルも同様。ライバルだろうが、ジャンルを共に盛り上げないといけない。「マイティ・ソー バトルロイヤル」(この邦画タイトルは日本の興行のための苦肉の策だ。)、「ジャスティス・リーグ」。以前ほど盛り上がらないのは、オタクのハートの中にも確かにあるはずだ。
「キャプテン・アメリカ シビルウォー」のヒーローじゃれ合いで、ほとんど「完結」したと思っている人も結構いるのではないかと思っている。(飽きた、という人も当然いる)
だが本作、ヒーローものの範疇から外れて、映画として観る場合、結果これを女性映画という観方で観た人は皆無だろうし、映画の出来も残念なものだ。
1)ヘンクツ家族より王子様。
お姫様が意外な正体。アマゾネス族のくせして、その正体を知っているのに、覚醒させない。覚醒すると、ラスボスに見つかるらしい。どっちみちラスボスとは対峙するんだから、そんなまどろっこしい設定いらない。オンナだらけの島に空から王子様。それだけでいい。
島を出て行った理由は、ボス退治というより、王子様と本で読んだことをしたいだけ、が裏設定。
2)戦争との絡みがどうのこうのより、王子様。
「ボスを倒せば、世界は平和になるから、私行くわ」と生き勇んで戦場へ。だが、そのボスが死んでも、状況は変わらない。「なんで?人間はアホなの?」と悩んでると、本当のボス登場。ハリポタを見てない僕は、「なんて地味なラスボス」と思ったが、王子様命を賭して危機回避。お姫様覚醒。ラスボス退治。ハッピーエンド。やっぱりラスボス倒すことで、世界は危機を回避した、という。
結局、人間がアホだろうが、関係ないらしい。
3)アクション
ザック・スナイダーの流儀そのまんまを受けつぎ、やってることは「エンジェル・ウォーズ」。おまけにキレもなく、ラストバトルは暗いばっかり。借りものばかりのハリボテなアクションシーンがそんな感じなら、演出もとろ臭い。脚本もガタガタ。
ワンダーウーマンのパワーバランスもめちゃくちゃ。とにかく「知性」がまるで感じられない。
ワンダーウーマンを結果ヒーローに仕立て上げたのは、イケメン王子様であり、愛の力である。その愛は、一夜の営みで培われたものである。
うーーむ、これはせっせとヒーロー映画を追っかける映画オタクには、実はちっとも優しくない映画ではないか。
この映画を見て女性映画とか、女性の存在意義について語っている評も見かけるが、この映画に関しては、その程度のヒーロー誕生譚でしかないのである。
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