作り手はお金をかけて、そういうものを前提で作っているし、どんなに深遠なテーマを入れ込もうが、それは怪獣ありき。そしてそれでお客を喜ばせないことには意味がない。
それは観る側も分かっているんですね。
まあ、それは怪獣映画に限ったことではないですが、怪獣、モンスター趣味の人間がいる、ということ。そこから、どのシチュエーション、というのは、それぞれの好みというわけですが、そんな彼らが絶賛していた、
僕はこの度の「モンスターバース」、いずれも全く楽しめていません。
ギャレス・エドワーズ版の「ゴジラ」はじりじりとドラマを延々見せられ、もったいぶった怪獣の登場。登場すれば、テレビの中、真っ暗なシーンばかり。イライラが募るだけだった。
コングを初っ端から見せてくれたのはいい。相手もタコだったり、たくさん怪物が出たり。これこそまさにスタンダード。プロモーションも「オタク以外お断り」ではあったし、サミュエル推しの気持ちは分かるが、人間しかいないシーンになると、緊迫感なし、間延び感ありと、凝った映像だけでは、間が持たない、というまさしく「ザ・怪獣映画」といった作品だった。
文句を言うほうがおかしい。ということだろうが、僕にとってジェシカ・ラングの「コング」≒第二次性徴の象徴としては、ブリー・ラーソンでは役不足だっただけのことだ。
今回は推し熟女のヴェラ・ファーミガが出演しているが、さすがにこれはいけない。10年まえだったらなあ。
今回の「ゴジラ」はギャレス版よりかはまだ観易い。
(はぐらかすギャレス・エドワーズの「ローグ・ワン」も僕には合わなかった)
だが、単調、相変わらず暗いんです。でも、本作で気に入らないのは、みんなの言う、「ここまでやってくれた」という「ここまで」の点。
しっかり怪獣出ました。造形も十分納得いくもの。しっかり怪獣、暴れています。ドラマパート、もともと怪獣映画って人間ドラマ部分こんなもんですよね、と。
え、それでいいの?それ「パシフィックリム」の時も言ってなかった?
これも明らかに怪獣映画ファン向け、というか、彼らにしか見ることのできない映画。実際アメリカでは大コケ、という興収。
中国資本のレジェンダリーと東宝の製作で、「日本のゴジラ映画まんま、作りました。ストーリーも登場人物も全く魅力も面白味もないけど、そこもオマージュしました!え、核ってこんなのでしょ?」
こんなに勘違いされたモノを出されて僕たちは喜んでいいのか。僕はなんか逆にバカにされたように思えた。
というか、真の怪獣映画ファンが文句言わないでどうするの、とまで思ってしまった。
怪獣はリスペクトされている。日本の映画人もリスペクトされている。けど、日本をリスペクトしろ、って。
怪獣映画ファンの力で、変えて見せる、ぐらいの怪獣愛に満ちた意見が見れなかったのが至極残念。
一方、この映画の監督の手腕という点に話を落とし込むとすると、怪獣の造形をきちんと見せない、明るいところで戦わせない、怪獣バトルが単調な画。監督本人は怪獣愛に満ちている、と言うが、それも結果が伴っていないと僕は思っている。
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