本作、その後がさらにその民族にとって苦難の道が続くため、決してカタルシスは生まれない。そこを踏まえて、どう楽しむか、が本作の見どころ、となるかな。
まずは何はともあれ、超傑作「悪の法則」の次の作品である。
前々作「プロメテウス」で神をエイリアンバスターするというびっくり設定があさって方向すぎて、スベッてしまったが、再度神を描いた本作。
「お前らの神が!」
というセリフがあるが、確かにその部分だけをピックするととっても問題ある発言だが、本作、宗教色は極めて薄いように思う。
神様、今度は駄々っ子、というある意味、とっても分かりやすい姿で登場。ただし、モーセ自身の子供と、駄々っ子との対比、というようなところまで突っ込んでいないので、神の、駄々っ子ぷりにモーセが、ただただ振り回されるのである。
だけである。まあ、ちょっと気負ってはいるかもしれないが、積年の恨みを晴らすためのからの攻撃を気丈に耐え忍ぶ。その姿がとてもかわいいのである。
ほら、そんなに泣くから、アイシャドウが。。演じるエドガートン、ハッキリ言って、クリスチャン・ベイルを食ってる。最高である。
ここで見せられる奇跡は、極めて現実的に起こりうる描写になっており、実際、笑える会話もここではあるのだが、絵的にあんまりおもしろくない一方、「海」のほうは、期待したあの絵でないため、肩透かし感はある。
ほかの映像についても、特に騎馬戦などもっとド迫力が出てもいいもんなんだが、どうも迫力不足。軽いんだなあ、どうにも。
「プロメテウス」ぐらい豪快にハッタリをかませばいいのに。
バッキンバッキンのCG、頑張りましたねえ、とは思うが、それがリドリースコットのなせる業、とは全く思っていないです。だから、駄々っ子とラムセスで楽しんだ、というリドリーファンからすると、今回も映画ファン失格なレビューですみません。
化ける割にベイルは結構、共演者に食われる印象があるのは気のせいかな?
劇場公開日1月30日
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