注 : 本文、本作のネタバレはもちろん、同じくトム・クルーズの「オブリビオン」のネタバレがあるよ
とは、トム演じる主人公ケイジに対して、
「お前のやることはただ一つ、敵を殲滅することだ」
という意味かと、ずーっと思ってたら、ケイジがリタに対して、
「お願い、とにかく殺して!!」
という意味でもあるんだなあ。
この映画では、「LOVE」と「KILL」が同義なのだね。
前作「オブリビオン」は宇宙人にとっても愛されている、すなわちトム・クルーズの自己愛に満ちた映画だったが、個体がそれぞれ違うことに、ラストの批判を受けたか、本作は、前作に満ち溢れていた「自己愛」は変わらないが、人格は同じという(笑)。
アンチ・オブリビオン、というか、別バージョンというか、反省を踏まえたというか、よくもまあ、こんな狙いすましたような本を引っ張ってきたと思う。
まわりまわってまたもや宇宙人に愛されてるトム。常に自分とファンのことを考えてるトム・クルーズ、という僕の彼への印象はさらに強くなった。
本当に素晴らしい「スター」だ!!
今回のトムのヘタレ演技は超傑作「宇宙戦争」などでおなじみ。意外と若いころからハマっている定番。
タイム・リープものとして、最も気にかかる点として、1,2回目をいかに新鮮に、衝撃的に、その後はいかに上手く省略できるか、が勝負。本作、その点よくできてる。
またタイムリープものって、繰り返すシーンを違う演技で、って場面が多くなるのだが、そのおかげで今回トムの面白演技が堪能できる。
中盤、トムの視点から、リタの視点に僕らは移り、この場面は何回目かなんだろうか、ということは、今回もまたダメなのかもしれない、というリタの不安がこちらに乗っかってくる緊迫した場面もいい。
そのサスペンスがあるのに、終盤へのサプライズに紐づいてはないのはちょっと残念だけどね。
また輸血の設定は、「これで後がない」のはずなんだけど、まあ、逆に後がない分、「絶対死なないわけ」で、その後のテンションに悲壮感はないかな。
まあ、そこは「トム」だから、まったく問題ない。
あ、そうそう、僕はゲームをしないので、「リセット」は強くなるための設定ではなく、リタとLOVEするのをあきらめない、という意思とみてる。あんな「汗ばんだ、しなやかなタンクトップ姿の女性」を見たのだ。生き返れるんだから、むしろ、その手で何度も殺して!
このシーンが何度も観れるのなら、トムにはいくらでも死んで欲しいし、トムも何度だって死んで彼女を救おうと思う。
ラスト、トムが、ってことは敵も?と思ったけど、あの必殺の満面のニヤケで締めくくられては、そんな突込みは野暮で、こちらはまったくの文句はない。エンドクレジットで「LOVE ME AGAIN」がかかって、その歌詞、曲調のコミカルな必死感が、主人公ケイジの心情がうまく表していて、僕もまた、ニヤケる。
劇場公開日 2014年7月4日
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