「ブレードランナー2049」ネタバレ 伝説の前作に続き、本作の裏設定はこれだ!!。久々にドゥニ・ビルヌーブ作品を楽しんだよ!!

「ブレードランナー2049」
劇場公開日 2017年10月27日

 

!!!ネタバレあります!!!

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「ブレードランナー」(’82)

 

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初見は、「ターミネーター」との特別同時上映。確か中学生だったように思う。自分大好きな盛りの中学生であれば、レプリカントがそもそも何なのかすら理解する気もなく、「明らかにロボット」なシュワルツェネッガーことターミネーターに夢中になったのはごくごく当たり前のことである。

その後も何度か観てはいるが、サイバーパンクなカルト人気は理解はするが、いつ見ても全く楽しむことはできていない。

 

「なにを追っているのか?誰と戦っているのか?」
「見た目が良ければ、それでいいのか?(ここではレイチェルのこと)」

 

楽しめない理由はそこにあった。

 

そしてうん十年。その続編ができるというニュースが流れ、ハリソン・フォードも出るという。やめときゃいいのに、とは思ったが、予告からはビルヌーブの作り出す映像は大いに期待の出来るものだった。

だが公開当時初日には行かず、何を血迷ったか、「ゲット・アウト」を優先した次第。

 

だって、ビルヌーブ、「ボーダーライン」「メッセージ」、続けてダメだったからね。

 

 

「ブレードランナー2049」

ライアン・ゴズリング演じる主人公Kは早々にレプリカントであるということが判明するが、恋人はAIという。室内限定の抱き枕から、持ち歩ける彼女に発展し、VRのごとく、風俗嬢にお気に入りの顔を当てはめてSEX(と言っていいのか)する。

 

なんだ、そこらへんにいる大きなお友達、ということか。

 

大きなお友達が電車や駅構内で人の流れに乗らず、周囲に迷惑をかけていることも気にせず、理解せず、スマホという名の「恋人」と「対話」し、その画面を見て「悦に浸る」。

「her 世界でひとつの彼女」(’14)でもそうだったが、本作のテーマは

 

「はやく人間に(大人に)なりなさい。」

 

そんなきょうび、ゴズリングがピノキオだろうが、レプリカントだろうが、人間だろうが、人間らしさとか、生きることの意義だとか、自分探しとか、自分が特別だとか、「自分が、自分が」と言っているようじゃ人間(大人)になんかなれないよ、と。

 

ゴズリングは自分が特別ではないことを他者から教わり、それを受け入れ、他者のためにその身をささげて初めて人間となるのである。

「her 世界でひとつの彼女」歩きスマホ
「her 世界でひとつの彼女」 舞台は未来?  コンピュータに恋をする、とかは全く新しいものではなく、むしろ、満員電車で、命の危険を顧みず、右手にスマホ、なハードな現実を毎日見せつけられているだけに、  「いやいや、近未来違うでしょ?」  ...

 

もちろん表の話は、神になろうとするジャレッド・レトと本来生まれるはずもないレプリカントの「奇跡の子供」という「神話的」な話は、リドリー・スコットのもと、然るべき設定。

 

これは「エイリアン コヴェナント」を観た後なら、全然予想内の話である。

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だが、力の入れようはそんなところではなく、やはり映像とSF的ガジェットにある。尋常ではないほど、いずれも素晴らしく、退屈とは無縁の160分。

 

愚鈍でやかましく、ぬるい「メッセージ」のような辛気臭いものより「複製された男」のように画面にSF的要素を満たしたもののほうが、ビルヌーブはあっている。

 

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次回監督作が「DUNE」だなんて最高じゃないか。

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さいごに

前作の主人公は、ストリップダンサーという恥じらいのないヘビオンナは後ろから撃ち殺し、奥ゆかしい美女にはキスを強要した。

 

なるほど、リドリー・スコットはデッカードのことをレプリカント、と言っていたのは、そんな「身勝手な人間」のことを予見して言っていたのかもしれない。

 

となると、本作は、「主人公を人間に戻す」話である。だから本作のKの設定はレプリカントであり、恋人は自分好みの「AI」なのだ。

 

だが、本作のメインユーザーはそんなことにはきっと興味がないだろうし、前作の立ち位置が結局「垂れ流し」映画なので、そういう意味では本作もしっかり「垂れ流し」て楽しむ映画にもなっている。

 

その点でも、本作は要求をしっかり満たすものになっている。

 

 

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