「テラフォーマーズ」ネタバレ 原作の弱さを三池さんの笑いと人脈で乗り越える邦画最高峰のSF映画

!!原作好きな人ごめんなさい、でもこの映画は面白いです、あ、もっとだめか。!!

原作「テラフォーマーズ」について

 イマイチな画力やキャラクターの魅力の乏しさ、読みにくい構図。おまけにストーリーテリングの稚拙さ、引きの悪さと残念なフリガナ。「菜々緒」と書いて「そのコ」とか、「特性」と書いて「能力」、はあ、どうでもいいです。

 唯一の設定の良さである、ゴキブリすら生かし切れていない。当時週刊ヤングジャンプにで連載中だった原作の僕の感想。

シンザン
シンザン

 そんなに読んでなかったのに、もう、めちゃくちゃ酷評ですね、すみません。

 

 そんな漫画の映画化。設定からすると、SF超大作である。ある意味「進撃の巨人」以上の大作である。だが、こんな原作ゆえ、僕には全く関係ない話だと思った。

 だが監督は三池崇史だという。これはイケるかもしれない。

シンザン
シンザン

 もちろん、僕的にである。

 

映画の「テラフォーマーズ」

 時は2599年。普通の現代語と「ブレードランナー」パク、いやオマ、いやパクリの日本、とのっけからやってくれます。特にこのパクリがとても美しい映像とヒサヤ大黒堂とでうれしくなる。

 伊藤英明さんの暑苦しい演技と武井咲さんのCM演技がさく裂し、なんの説明もなく、なんの緊張感もなく、宇宙船の中に場面が変わる。そこでワンカットでやるのかと思いきやそうでもないクルー紹介。押しなべて演技はキツイ。だが俳優陣は豪華。それに加え映像やカメラは素晴らしい。

シンザン
シンザン

さすがは、三池監督!、といったところ。

 本作の原作の、人間なぶり殺し、とSF世界観、そして「虫に変身」という「ライダー」設定。だからこその、三池監督起用でもあるはずです。

 これだけのもの、これだけの胡散臭いもの、三池監督以外に誰が本作を撮ることができようか。また、この人以外に、これだけのキャストを殺せない。

 僕は本作をとっても楽しむことが出来た。

三池監督流のハズし

 あっけなく武井さんをグニャリ、格闘ではリアルでは出演者ナンバーワンのケイン・コスギをまともに格闘させず退場、とやることがいちいち笑けて面白い。

 また物語も、原作のつまらない地球上のやり取りをなくし、悪役を小栗旬さんのみに絞り、方向性をはっきりさせたのもいい。こういう映画なのだから、ストーリーはすっきりしたほうが全然いい。

 裏切りの人物も、まあ、そうよね、という人物でちゃんと見せ場はあるし、山田孝之さんの回想も、2599年にみえず、昭和かよ、という絵も「わざと」やってて楽しい。押さえるところと外すところがやっぱり三池監督ならでは、なのだね。

そして山下智久さん

そして、本作でもっともよかったのが、山下智久さん。

 自慢の英語を使い、現代版矢吹丈よろしく、かと思いきや、足技のバッタ、という超面白キャラ。最後にはイケメンがバッタ、そして真っ白になる、という最高に笑ける展開を見事に演じています。

シンザン
シンザン

 過剰の演技もこの設定だからこその、お笑い演出。

 虫に変身するときの、いい加減な虫のウンチクも三池監督ならでは。

 

シンザン
シンザン

 三池さんに演出をお願いしたプロデューサーは天才だと思います!

残念なところ

 欠点といえば、ゴキブリが多すぎで、逆に絶望感がないこと。

 その割りにぞろぞろしたゴキブリ感があまりないのがイタイ。超多いゴキブリのことを内緒にしてた理由もちゃんと説明していないのだから、これなら、ゴキブリの数は抑え、ミッションは超繁殖手前の殲滅作戦のほうが良かったのでは、と思います。

シンザン
シンザン

ゴキブリ感、不快感が足らないのもダメだよね

 

劇場公開日 2016年4月29日

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