「ウィッチ」ネタバレ 魔法少女になりたいんです!!

「ウィッチ」
劇場公開日 2017年7月22日

 

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!!激しくネタバレしています!!

 

 

 

 

魔女の作り方については、なにも決して新しいモノではなく、特によく知られている作品としては、「魔法少女まどかマギカ 新編 叛逆の物語」というのもあるので、そのことについては触れません。

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それら、えてして共通して言えるのは、悪魔とは結果として「そっと手を差し伸べる救済者」の存在として描かれている点である。

 

 

2016年全米を騒がせた本作ですが、公開する劇場は新宿武蔵野館のみ。ある意味、悪魔の巣窟だが、実際そういう客層だったので、それはそれで楽しく鑑賞しました。

 

 

 

「ウィッチ」

1630年、ニューイングランド。ウィリアムとキャサリンの夫婦は、敬けんなキリスト教生活を送るために5人の子どもたちと森の近くにある荒地へとやって来た。しかし、赤ん坊のサムが何者かに連れ去られ、行方不明となってしまう。家族が悲しみに沈む中、父ウィリアムは、娘のトマシンが魔女ではないかとの疑いを抱き、疑心暗鬼となった家族は、狂気の淵へと転がり落ちていく。

 

というのが、映画コムの紹介するストーリー。

 

しかし村を出た理由は疑わしい。村の連中と対立しただけで、当時、セイレムの魔女裁判、という背景もあり、近辺のニューイングランドでもそのようなことはあったという前提でいうと、彼らは魔女だと疑われていた可能性もあるし、魔女裁判にうんざりし、村を出た、ということかもしれない。

 

 

いずれにせよ、ここでは彼の「強い思い(こみ)」のみが語られるだけです。

 

本作、よくキューブリックの「シャイニング」に似ている、という意見もありますが、「シャイニング」とは逆である。映画「シャイニング」はもともと狂った主人公が、そういう環境で、「目覚めた」だけであり、オカルトチックな描写はあっても、根本は彼自身の行動原理によるものであり、心霊現象は彼の妄想といってもいいようにできている。第一、キューブリックはオカルトを信じていない。

 

一方、本作ははっきりと、ルシファーと魔女の存在を描いている。

 

当時の人間としては、「黒山羊はルシファー」と知っていると思われるのだが、なぜ飼っていたのか、までは描かれていない。つまり、本作は、敬けんな信者が堕ちる話ではなく、敬けんであると思い込んでいる「すでに堕ちてた家族」の話とも取れるわけだ。

 

父親は薪割しかしないダメ親父。この親父の最期は、必要以上に割られた薪に埋もれて死ぬところは、本作の唯一の笑いどころ。

 

だが彼にしてみれば、「自分のした仕事に埋もれる」という結果。

 

母親はまるで母親の役割をしない。この母親の最期は、最初に失った赤子が戻ってきたという幻覚を悪魔に魅せられ、カラスに乳首をつつかれる。だが、彼女にしてみれば、赤子に乳を吸わせているのである。

 

長男は、主人公である姉の胸元に欲情。結果、爆乳の魔女に誘われ、死の接吻を受け、素っ裸で恍惚とした表情で死ぬ。そう、彼もまた爆乳に抱かれ、キリストに赦しを得たという幻覚を見て死ぬ、という己の欲求を満した死。

 

双子の兄弟は、純粋無垢ゆえの残酷。それは常に現実からの逃避。黒山羊ルシファーとの会話を経て、魔女にいけにえとして連れ去られたか。

 

そんな家族の長女は

「悪魔からいかにスカウトされてしまうのか?」から、「いかに悪魔にスカウトしてもらうか?」に変わる。

 

みんな狂っていくのではなく、信仰に「狂っていた」結果、「幸福な」落としどころに落ち着くのである。

 

 

原題 VVITCH

タイトルがW(ダブリュー)ではなくVV(ヴイ)。

「V」は「ピースサイン」「ヴイ」「5」

一体なにを示すのでしょうね。魔法少女になりたければ、調べてみるとよいかもしれません。

 

 

おまけ

セイレム魔女裁判については、映画「クルーシブル」という超傑作があります。本作の森にいたのは、ウィノナか?

 

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シンザン
シンザン

 この作品の後、しっかり魔女となったウィノナ。

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