ネオン・デーモン
劇場公開日 2017年1月13日
こんな僕も、若いころは美に執着した。
それでいいじゃないか。外見を磨くことで、中身が磨かれることもある。美を追い求めることで、チャンスを得ることも多分にある。
もちろん、それぞれ価値観はあるが、それぞれの価値観において、「美」に執着しない女に魅力は感じないし、「美」を求めない男には関わりたくない。
ニコラス・ウィンディング・レフン。
「ドライヴ」で注目された彼だが、個人的には「ブロンソン」や「オンリー・ゴッド」に俄然肩入れする監督で、現在、監督で映画を観るなら、という視点では名前が挙がる。(ほかはビルヌーブ、シアンフランスといったところでしょうか)
価格:4,863円 |
価格:1,199円 |
オンリー・ゴッド スペシャル・コレクターズ・エディション 【Blu-ray】 価格:2,840円 |
主人公には圧倒的な魅力があり、むしろレフンの作品は音楽や映像ではなく、登場人物の力に依存する。
本作の主人公、エル・ファニングは確かに美しい。だが最初のシーン以降、はっとするような映像はないし、会話のシーンになると、退屈なストーリーが露わになる。
確かに、映像、音楽ともに映画館で「体験」すべきものだが、それ以外のものは、はっきり言って演出力に問題があるように思います。登場人物の配置もキャラ付けも定番すぎ。
チープで、ナルシシズムたっぷり、という点では「ネオン・デーモン」というタイトルは確かにピッタリではある。だが、70年代、「ネオン」、「デーモン」、「サイケ」、「シンセ」はもろイタリアン・ホラーのテイストで、当時のプログレではさんざん扱われたものだ。
ラストの荒廃した風景に一人の女。
軽薄な美への追及を、否定する物ではなく、むしろ、それに果敢に立ち向かう、刹那な生き方をする女性の描き方に、ナルシシズムを感じるとともに、賛同したくなる気持ちは個人的に大いにあるのですが、もう少しドキドキさせてほしかったとも思います。
最近の映画音楽で出ずっぱりなSIA。食傷気味ではあるが、そんな「女の闘い」にはやはり、SIAはよく似合います。
ネオン・デーモン【Blu-ray】 [ エル・ファニング ] 価格:1,650円 |
コメント