「ブリッジ・オブ・スパイ」 映画の事より、ただの恨み節

!!ネタバレはしていませんが、正直、寂しい思いをしています。
なので、好きな人ごめんなさい!!

スピルバーグには、撮らなければいけない映画があるのだという。

 それにあたる作品で真っ先に思い当たるであろう、「シンドラーのリスト」「プライベートライアン」、そして僕がスピルバーグ映画で一番好きな「ミュンヘン」。

 この3作は、その意図をもって作られた、映画史上燦然と輝く傑作である。もちろん彼の傑作はそれだけではないが、この3作に共通して言えるのは、

 「自分がどう見られるかは問題ではなく、世間と刺し違える覚悟で、自分で撮らないといけないという意志で作られた作品」といえるのではないでしょうか。

 だが、後期の、彼のその「撮らなければいけない」意思で作ったと思われる作品群は、作品として残すことが重要、という目的にすり替わっているように思う。もっと簡単に言うと、
 

シンザン
シンザン

 「現実問題、誰のためにもならない(お金にならない)映画」

 

そりゃあ、スピルバーグにしか撮れませんって。

 「田舎の実家にある、子供のころ、おばあちゃんに買ってもらったカバーが豪華な辞典」極論すると、「置いてあること」に意味があるもの。

 スピルバーグがこうなっちゃてるのは、加齢よりも、使命感が簡単に果たせる、チャレンジの意味がすり替わる環境にあると思われます。まあ、誰も文句は言えないし、誰にもこういう「お金にならない」映画をもう撮れないんだから、それ自体を目的になってしまうのも仕方がないのかもしれない。

 そういう意味ではスピルバーグ、すごい!とはいえる。だが、結局そういう立場になっちゃたのかあ、と同時に寂しくもある。

シンザン
シンザン

 これを「円熟」とか「進化」とか言いたくはないかな。

 映画自体のレビューとはちょっと違ってきているが、内容は全くそんな感じ。個人的には「ミュンヘン」のような、いきなり背中を刺されるような作品が恋しい。
 

そして恨み節

アカデミー助演男優賞について、本作のマーク・ライランスは役得と思います。

シンザン
シンザン

シルヴェスター・スタローンに取ってほしかった。。。

劇場公開日 2016年1月8日

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