「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」
劇場公開日 2017年11月3日
本を全く読まない僕だが、スティーブン・キングは原作が多く映画化されることもあって、その名前は知っている程度。世間のキング原作映画のベストはだいたいこんな感じらしい。
1位:ショーシャンクの空に(’95 フランク・ダラボン)
2位:スタンド・バイ・ミー(’87 ロブ・ライナー)
3位:シャイニング(’80 スタンリー・キューブリック)
4位:キャリー(’76 ブライアン・デ・パルマ)
5位:ミザリー(’91 ロブ・ライナー)
次点:グリーンマイル(’00 フランク・ダラボン)、ミスト(’08 フランク・ダラボン)
なるほど、なるほど。みんな、真面目だなあ。
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僕だったらこうかな。
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キング原作映画は三流監督も撮れば、デ・パルマ、キューブリック、ハックフォード、ダラボン、カスダンなど、超大物監督も撮るという、いろんな意味で「臭う」映画だ。
本作、ホラー映画の世界興行では、トップに立った。(R指定ホラー「エクソシスト」を超え、非R指定の「シックスセンス」超え。)
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当時とはまた事情が違うと思いますが、本作のヒットの要因は、
1.海外人気TV「ストレンジャーシングス」のヒット下
2.SNSという口コミ
3.少年少女もの(ジュブナイルもの)
4.エロくない
で間違いないと思う。もっとざっくり言うと、女子どうしでも観に行ける映画。
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「怖いのは観たいが、エロはイヤ。オタクっぽいのもイヤ。」
という、ジャンル映画のくせして、既定のファン層を裏切るかのような作風。(原作はそうではないらしいが)ただ、まあ、「スタンド・バイ・ミー」嫌いで、「ドリームキャッチャー」好きの僕としては、本作正直物足りないのは仕方ない。
本作の特徴として、「いじめられっ子」の奮闘記ということになるのだが、またそれもヒットの要因と思われるが、「いじめっ子も襲われる」という点にノレない。
そもそも、僕にはノスタルジーなんか必要ない。こんなもの、多かれ少なかれ通ってきた道だし、「スタンド・バイ・ミー」なんか、まんま通ってきた道だし、またおっさんになっても「人生の苦難の道」は続くのである。
カミさんの顔をみれば、ピエロに見えるし、朝鏡を見れば、目の前には疲れたピエロがいる。会社に行けば、ピエロになり、子供に対しては、ピエロにならないといけないし、大きくなれば、また恐怖のピエロに見えないといけない。
そういった「乗り越えるべき恐怖の象徴である」ペニー・ワイズ自身が「恐怖」を知って退治されたことにも、本作だけでいうと不満だ。
ただ、原作の設定が、実在した連続殺人犯をモデルにしているゆえ、「恐怖の象徴」が前提なのだろうが、それを知らずに観ると、ペニー・ワイズって案外親切じゃね?と思ったりもする。(主人公の成長のために、弟が犠牲になった、という考えはないだろうが、弟がターゲットになった何らかの事情が欲しかったりもする。)
続編にはその「誰でもピエロ」な展開が待っていることを期待しつつ、僕は「愛のある」ピエロでいこうと、今日も頑張るのである。
もちろん、子役の演技や「大作感のある」カメラや演出は素晴らしいし、設定を80年代に合わせているのもおっさんとしては観易くていい。ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック、XTCなどの楽曲も楽しいが、オーケストラなスコアがまた80年代っぽくって良かった。
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