「モスダイアリー」 乙女になりきって観る

まず、最初にひとつお断りを。

 「おっさんがレビューするんじゃねえよ」という映画です。

 しかし、おもしろかったのだからしょうがない!

 だから許してください!しかもこってりネタバレです!

 本作、ゴシック・ヴァンパイア・ミステリー、と称されますが、正直「ヴァンパイア」である必要はありません。

ストーリー

 全寮制高校で、キャピキャピしたい主人公レベッカが、百合友のルーシーを、オトコマエのエネッサに寝取られ、嫉妬するも、実はエネッサのねらいは、境遇が似ているレベッカのほうだった。

シンザン
シンザン

 危うし!レベッカ!エネッサに操を奪われる?!

 エネッサに懐柔されると、レベッカはキャピキャピ生活を約束されるのだが、百合友を取られた怒りが勝り、エネッサと対決することを決心する。

乗り越えること

 エネッサはレベッカの脅威だけではなく、実は「卒業」を促している存在でもある。エネッサの不思議な力で、クラスメイトを次々といろんな意味の「卒業」に追いやり、レベッカを孤立させる。

 レベッカの選択した「卒業」は精神的なものだった。

 実は結構、エネッサの存在については、見た目まんま、この世のものではないという描かれ方をしているのだが、それは、異物ではなく、レベッカの分身、という見方もできる。

 つまりは、年頃の女の子の揺れる乙女心、身分的、精神的、肉体的卒業を描いた作品、ということで、着地点は、とってもありふれたものだが、その描き方がまあ、おっさんの僕がいうのも何なんですが、揺れていてカワイイんです。

女優陣がとてもいい!

 女子高生とは思えないが、可愛らしい主人公、サラ・ボルジャー、好きです。この世のものとは思えない美しさのサラ・ガドン(当然大好きです!)。この世のものとは思えないリリー・コール(故に、大好きです!)

 マリーナ・アンド・ザ・ダイアモンズの「Numb」がエンディングで、その歌詞、曲調と映画のラストがピターっとはまって、鑑賞後は、アガるアガる。

劇場公開日 2013年8月3日

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