「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」 当時のファッションを、最高のキャストで楽しめる映画

野良犬のような面構えのベネディクト・カンバーバッチ。

「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

小学生の夏休み日記のようなタイトルだが、副題以外は原題通り。

サスペンスかと思いきや

本作、まったく予備知識なく観たのですが、ドイツの暗号「エニグマ」の解読サスペンスかと思えばさにあらず。

マシュー・グード、チャールズ・ダンス、そしてむんむんマーク・ストロング、というダンディズムトリオにクラクラする映画。

チャールズ・ダンスの軍服に、マシュー・グードのジレ、マーク・ストロングのロングポイントカラーに男でも夢中になって見入ってしまう。

「ドミノ」「私を離さないで」「はじまりのうた」で、ごひいきキーラ・ナイトレイもさすがに今回は影が薄い。

サスペンスとバイセクシャル

だが、本作、カンバーバッチ扮する主人公が実は、バイセクシャルということが少年時代の回想で判明してくると、とたんに物足りなさが押し寄せてくる。

要は、ダンディハウストリオがちっとも絡まないのです。

ダンスと口論になるときも、ストロングに頼るときも、全然「それ」っぽくない。

唯一、エニグマの解読に成功し、グードとの見つめあいがあるだけ。

もう少し観客に向けたサービスを

カンバーバッチ主演、ということで、女子が見に来ることはある程度想定内、というか、そこからの「商業映画」であるはず。ダンディトリオというサプライズがおまけについているのだから、もっと女子を楽しませないと。

ブリティッシュ・スーパー・ダンディトリオ(しつこい?)をそこまで用意できてるのに、サービス精神が足らない、ということ、というか、やはり題材が真面目だからかな。

本筋としての暗号解読のサスペンスが薄いし、予算不足か、戦火のシーンも寂しい。ラブ・ストーリー要素も薄いし、主人公の描写も、バイだとか、天才だとか、変人だとか、いろいろあるけど、どれも中途半端になっているように思う。

少年時代、戦時中、戦後、と時系が飛ぶのだが、流れをぶった切ってしまっていて、緊張をそぐことも多い。

「The Imitation Game」タイトルに秘められたテーマとは

彼の人生は、うそをつき通す人生。彼の仕事はもちろん、その性癖もそうだ。でもその苦悩が、特に後者、やはり足らない。

 

シンザン
シンザン

それでも!当時のファッションを、最高のキャストで楽しめる映画として、猛プッシュするよ!

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