ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影(シャドウズ)
劇場公開日 2016年8月26日
前作「ミュータント・タートルズ」を見て、グロい亀と美女の組み合わせに、要らぬ妄想ばかりが先走ってはいたが、十分楽しい映画でした。
だが、やはり前作の当時のマイケル・ベイ風の流行りの縦アクションと、とっても独特な雪山下りアクションが楽しかったのと、4人の亀の顔とキャラが楽しく、こりゃ続編できたらいいな、と思ったら、できちゃった。
吹き替え版を鑑賞。
今回は邦題に「ニンジャ」をつけてきましたな。よしよし。だが、なぜに「ティーンエイジ」をつけないのか。
今回はお尻の青い亀がいつまでも子供じゃいられない境遇に苦しむ物語だ。
影に生きてきた亀たちが、表に立って、顔を出して、人間の生活が出来るかも、という秘薬の登場で、苦悩し、意見が割れ、仲間割れをしてしまうのである。
登場人物も箇条書きで語れる程度のものである。4匹のグロく、デカイ亀。亀の扱いが上手な美女。ただのイケメン。ボケ担当。悪役。もっと悪役。おバカな手下。力関係が分からない雑魚ニンジャ。
それぞれ与えられた役割そのままの働きを繰り広げてくれます。
その中で特筆なのは、おバカな手下の2人のサイとイノシシ。
吹き替えは宮川大輔さんと藤森慎吾さん。
これがうまい。確かに好き放題アドリブ可能なキャラではあります。関西弁とサイ、というのがなぜかとてもピッタリな宮川さん。藤森さんのほうは、もっとチャラくてもよかったか。
アクションも新味と前作からの発展形が見て取れた。スカイダイビングからの、川下りアクションが特に素晴らしい。スカイダイビングの浮遊感と疾走感、川下りの水の質感。
CGの滑らかさがこれ見よがしでないところが素晴らしい。
確かに終盤に向けての展開は、もうこれまで散々、「トランスフォーマー ダークサイドムーン」「アベンジャーズ」で観てきたもの。そこにはまるで新味はありません。
だが、それでいいのです。
オプティマス・プライムやアイアンマンが戦った敵のようなものに亀が立ち向かうこと設定で、それでいいではないか。
キャラクター設定もアクションも何も裏切らない。これこそ、当時「シンゴジラ」に追い出された、締め出された子供たちが楽しめる最後の夏休み映画。
見た目はグロいが、責任感が強く、猛々しく、知的で、可愛らしい。
この映画は、成長手前の少年が、亀を通して強い大人になることを憧れるような、ヒーローものなのだ。
続編どんどんつくってほしいなあ。
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