祭り度からいうと、僕の世代ではエピソード1のほうがあった。やっぱり映画のチケットは、並んでなんぼ、のほうが祭りになります。
というまんま、ものの見事にそういう映画になっているところがすごい。それは面白い、つまらない、でなく、雑っぽさも含め、男子の映画のフォーマットに女子も引き込むというきっちりと狙いを絞った作品になったなあ、と。
ただ、問題は昔より、おたく女子が増えた、という点。
本作のファミリー向け、男子向け、おっさん向け、それは当たり前で、プラス新味は、ラノベ風青春ものをオタク女子がどうとらえたか、そこが重要。だがオタク女子は、旧3部作の世界観を好んでいるのであって、今更、ラノベ風もねえ、と若干そのテイストは古臭く思えます。
だが、意外とテーマは統一されている。いずれの若者も今回は「仮面」についての話。
カイロ・レン。
あの風貌は、なるほど、そういう奴だったからか、と十分に納得のいく「ベイダーに憧れた、お手製っぽい、安っぽい仮面」の理由。安っぽい「仮面」で自分を隠し、ひたすら「光」におびえ「闇」にこもる。
そう見ると、あのライトセーバーも実用よりも、「無駄に装飾な」デザインといえるね。
いわゆる「Prince of Darkness」だが、それも現代だと、さらに今のディズニーの手にかかるだと、ああなるのだな、と。
カイロ・レンがあの仮面をマジでかっこいいと考えていたのなら、どうしようかと思ってた。よかった、よかった。
次はもっと「強い」デザインを用意しているかもしれない。
フィンについては、うまいよね。
個性のない、ただただ一兵士としてのトルーパーという「仮面」と黒人の「何も考えることなく働かせられる奴隷」感を想起させ、かつ現代風の立ち回りを演じる。しかし、フィンの扱いで最も感心したのは、「保険」の打ち方。
「トルーパー」に人間味を持たせた、という新味が、エピソード1の戦犯ジャージャーのような不評を得たならば、そのまま起こさなければいいわけで、以後の評価でいつこいつを起こすか(笑)。なかなかしたたか(笑)。
主人公レイ。
登場時、彼女も覆面をしている。
このせいで僕はカイロ・レンは実の「姉」だと想像してしまった。
それを脱ぐと、顎回りに、孤独に耐えてきた性格が見え、こちらも待っても仕方がないとわかっていても、飛び出したいくせに、殻という「仮面」にこもってしまう。目がいいが、それよりもとにかく「硬いものを食べてきた、孤独に耐えてきた」「顎の短さ」が我慢強さ、力強さと幼さ、未熟さの両方を見事に表しています。
その彼女が窮地にその「仮面」をはがし、「その力」を「覚醒」する。
そしてハン・ソロ。
ハン・ソロとチューイだけはいつだって昔のままだなあ、と感心してみてた。だが、やはり「父親」。
「父親の顔」が「覗く」ことで、嗚呼、ハン・ソロ。。。。
この処理もうまいと思う。そして明らかに、旧3部作への決別。
キャラクターでいうと、R2D2の決定的な欠点である逃亡時のどんくささを、超カワエエスピード感で回避するBB8。表情もカワイイ。
とまあ、キャラクター造形はかなり良い、と思った。
だが、物語運びはちょっとだるく、また次回にあまり大きな引きではないのが3部作の序章としては、ちょっと寂しい。もっとデカい釣り針を用意してほしかったかな。
またライトセーバー戦もあれはしょうがないにしても、ちょっときつい。「プリクエル」のライトセーバー戦が十分アクションとして見どころがあったんだけど、本作で、フィンがセーバーを持って、トルーパーと戦ったり(しかも苦戦)と。
お前が!しかも一番最初に!使うなあああ
あと音楽。「プリクエル」のエピソード1、2がかなりいいものでしたが、今回は印象に残らないです。
ミレニアム・ファルコンおよびXウィング、TIEファイター等、のドッグファイトはミニチュア感が出て、非常に「らしい」映像になっててよかった。
第一回目は、吹き替え3Dで観ました。映像については、IMAXでまた堪能しようと思いますが、吹き替えについては、レイについては、最初若干違和感がありましたが、だんだん気にならなくなった。吹き替えも全然問題ないと。
ただし、オマージュ感や同じセリフを堪能するのは、字幕、といったところでしょうか。
劇場公開日 2015年12月18日
コメント