「スノーピアサー」 僕は泣いたよ。。

「ノアの箱舟」というべき列車「スノーピアサー」には格差社会が存在し、前方車両に乗る富裕層から虐げられている後方車両の人々が革命・・・・・

 

 

じゃなくって!

 

 

前の車両に行ってみたいわ~、というだけでここまで超絶に面白い映画にするとは。

 

ポン・ジュノ監督なだけに、面白いのは初めからわかっている。それでも正直だれも撮りたがらないようなこの設定をそこまで韓国くさくなく、インターナショナルな作品に仕上げてしまうところがとにかくすごい。(でもちゃんと臭う)

 

先日見たパク・チャヌクの「イノセント・ガーデン」も面白かったが、それとの決定的な違いは、ハリウッドで、

 

「自分のスタイルを徹頭徹尾貫けた作品」と「スタイルをハリウッド型に装飾して、芯は自分のスタイルを通した作品」

 

であるか、どうかだと思う。

 

それはどちらが偉い、すごい、ではなく、「どちらともすごい」のだ。

 

一両一両めくるめく世界、ある一両では「300」さながらの、スローアクション、あるいは三池監督大好きの閉所乱闘。近未来世界もいいが、一両クリアするごとに違った世界、展開が繰り広げられ、息つく暇はない。

 

本当に車両のキャラが立っている。車両の長さゆえのスナイプ・アクションもかっこいい。

 

さらにキャストも全員キャラが立っており、みんな見せ場がある。韓国人親子はアジア人らしい立ち振る舞いで笑わせてくれる。

 

しかし、特筆ものは主人公のクリス・エヴァンス。

 

毎度毎度難しい、ポン・ジュノ監督作品の「主役」を見事にこなした。今までは「韓国人ならではの国民性あふれた人物の悲劇」という作品だったので、本作はそうではなくとも、比較的これまでと近い主人公像であるのは間違いなく、それをエヴァンスはきっちり演じきったと思う。

 

今回はこれまで続いていた「やるせない結末」から救いのあるものだと思っている。もちろんCGのシロクマ自体はアウトなのだが、ラストまでずーっと見せ場の連続で興奮させてもらい、笑わせてもらい、最後の決着はこれまでのジュノ監督作品の流れがあったのだから、CGであっても、俺はもう涙ボロボロ。。

 

これほどチープで救いのあるラストなんて見たことない!

 

難点は子供教室の車両が説明過多な点。

 

このめくるめく映画マジックにしょうもない突っ込みや無理設定、ショボイCGなんて小さい、小さい!

 

 

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