「マッドマックス サンダードーム」唯一無二の世界観を決定づけた第3弾

マッドマックス サンダードーム
劇場公開日 1985年6月29日

 

そのスピード感と果てしなき道路、やるせなさ感が、世界の終わりを感じさせた、日曜洋画劇場定番だった1作目。

 

ダークヒーローとしての、MAXのキャラクターよりも、文明が崩壊し、暴力が支配する世界感、ヒャッハーなキャラクターが注目を浴びた2作目。

 

そして3作目の「サンダードーム」。ずいぶん評判が悪いですね。

 

その嫌われ要素は、サンダードーム、子供、ティナ・ターナー、道路なし、といったところでしょうか。もうひとつ付け加えるなら、音楽モーリス・ジャールか。

 

僕にとってのMAD MAXは「世界観の継承」こそがその存在意義。そして言うまでもなく、「北斗の拳」への影響こそが、このシリーズの存在意義。

 

2作目以上に「北斗の拳」に影響を与えているこの世界観。

 

これぞ、唯一無二。それだけでこの映画の評価は日本人男子なら2割増のはず。

 

すべての世紀末モノあるいは、核戦争後、あるいは人類滅亡後の世界観を描いた映画のすべての発端はこのシリーズ、もっというと、この「サンダードーム」に起点を発する。

 

第2作の続きとして、ある程度秩序の生まれたバータータウンの在り方は、十分続編として納得のいくものであり、さらにアイディアが発展した、ブラスターとアイアンバーなどのコスチューム・デザイン。

 

前作との比較ではなく、世界観、時系列の継承が最も観るべきところで、内容が2作目と被っていないところが、本作のもっとも賢いところ。

 

アトラクション、アドベンチャームービーと揶揄されようが、

 

「フラッと現れた救世主伝説」

 

としてはまったく申し分ない内容であることの評価はもっとされてもいい。

 

もちろん、本作でマックスは何をしたか、というと、まあ、子供たちに外界の現実を教えたに過ぎないが、子供たちにとっても、ティナ・ターナーにとっても

 

「なんかよくわからないが、すげえヤツがいた」

 

それでいいのである。

 

そのフォーマットは西部劇だが、果てしない列車アクションは、後続の一直線アクション映画の手本にもなっている。この迫力も並ではない。

 

まあ、残念なところは、モーリス・ジャールの音楽で、砂漠つながりしか考えてなさそうな、頭悪い音楽がずいぶんとうるさい、ぐらいか。まあ、それも今では味ではあります。

 

「北斗の拳」にきっかけを与えたのが2作目ならば、その世界観を丸々コピーさせ、僕たちを熱狂させたのがこの第3弾。

 

「北斗の拳」好きであれば、むしろこっち。

 

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