「ぼくのエリ 200歳の少女」 鼻タレ万歳

 いや、気にはなってたんだけど、この邦題じゃないですか、ちょっと手を出せませんでした。「ぼくのエリ」ですよ、勘弁してほしいなあ。

 

「ぼくのエリ 200歳の少女」

これは傑作!

 これ面白いです。

 もうたくさん色んな人が書いているし、僕も特別なことはほとんど書けないですけど、この話は少年オスカーの成長物語では決してありません。

 幼いまま、過酷な運命に囚われてしまった鼻タレ坊主のお話。ラストのエリの口は笑っているが、フレーム割れしてて、目だけが強いまなざしをしていることから、結果的には、エリのねらいどおりのお話。果たしてあの鼻タレがエリの役に立つかはさて置いて。

 

シンザン
シンザン

役に立てそうな描写が全く無いところが逆にすごい

 

 またエリも見た目は12歳だが数百年も生きているのに、所かまわず噛み付いたり、登ったりする子供っぽさがある。だからこそオスカーを選んだともいえる。

子供の無垢さと残虐性

 エリにやられたらやり返せを受けて、体を鍛え、いじめっ子を棒でぶん殴る、そのえらい満足げな顔がやけに幼児的で、残虐的。

 シーンが変わるたびにオスカーの鼻をすするドアップが、オスカーの幼さを絶えず強調し、それが逆に彼のラスト以降の過酷な運 命をより喚起させてくれ、なかなかしびれます。

劇場公開日2010年7月10日

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