「ハクソー・リッジ」 ネタバレ メル・ギブソンは裏切らない!

「ハクソー・リッジ」
劇場公開日 2017年6月24日

 

 

メル・ギブソン!!

 

 

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メル・ギブソン

 

 

変態監督という大変「名誉」な称号で、次々に傑作を生みだすしてきた漢。

 

 

ドメスティック・バイオレントな漢であるとともに、真摯なカトリックだという、最高の漢。

 

 

トモダチにはなりたくないが、男たちが憧れる存在。

 

 

彼の作品は常に彼の理想と、ぬぐい切れないドメスティック・バイオレントな本性が浮き彫りとなる。この本音と立間の表裏一体化した、あざとさとかわいさがにじみ出たスタイルが大好きだ。

その彼が変態作「アポカリプト」から10年ぶりに新作を撮ったという。沖縄を舞台にした戦争映画。主人公は銃を持たず、衛生兵として戦場を駆けずり回るという。

おいおい、いいのか?あまりにこんな「らしい」設定の作品で?あまりに魚に水を与えるような設定で?

去年の全米公開からオスカーの話題を経て、今年最も観たい映画として、ニヤニヤしながら(ワクワクではない)心待ちにしていた。

世間は感動作という。

 

 

バカじゃね?ギブソンだぜ?

 

 

渋谷の劇場への道中、妊娠検査薬の結果の画像を送り込んできた奥さんをほったらかしにして、鑑賞前にはすっかりギブソンになりきり、ドメスティックバイオレントな面持ちで渋谷へ。

 

 

「ハクソー・リッジ」

序盤のオリバー・ストーンの「7月4日に生まれて」のような甘い青春の1ページの描写から今更な「フルメタル・ジャケット」な訓練シーン。そこからの軍法会議までおおよそギブソンらしくない、娯楽作品の教科書のような展開が続く。

 

このあたりのガーフィールドとウィービングがとてもいい。特に「頼りないオトコNO1俳優」ガーフィールドがニヤけるたび、だんだんギブソンに似てくるから恐ろしい、というか笑える。

 

 

そして言うまでもなく、この登場人物二人はギブソンそのもの。二人は、ギブソンの理想であり、そして現実。

 

 

本作を贖罪と評する方もいるが、そうではない。ギブソンはいつだって、「ありのまま」を正直に描きつづけている。

 

 

ほぼほぼ1時間経過して、いよいよ戦場。戦争シーンが凄惨なのは想定内。だが相変わらずのヘンタイっぷりを随所で発揮。

 

 

やたら近い、あまりに近すぎる銃撃戦や手に持つ銃をPV視点からの地面に転がった死体の山。特に監督ずいぶんお気に入りだったのだろうか、火炎放射器の描写が妙にえげつない。

 

 

後半に至っても、テンションはさらに増し、神への問いかけを、我々観客に向かってさせるという、爆笑演出。

ここまで開き直られるとは、なんてアタマがおかしいのか。やはりメル・ギブソン。信頼できる漢だ。

まったく頭の先からお尻まで想像通りの映画で、「パッション」「アポカリプト」となんら全く変わらない。

 

感動とは程遠い「ザ・オレ様映画」。全く素晴らしい!!

 

いや、本当に途中「エクスペンダブルズ3」なんかのクソを監督しなくてよかったよ。

 

よかったね!10年待ったかいがあったよ!!

 

 

さいごに

本作、それでも評価を他の監督作品より微妙にする点として、CGがやばいほどにガッカリレベル。いやCGなんてホントはどうでもいいのよ。だけどホンモノをつかっての、ほかの誰にも到達できないヘンタイレベルまで達してほしいと思う。

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