「ゴースト・イン・ザ・シェル」ネタバレ 日本カルチャーオマージュに溢れた、中国資本のハリウッド映画。

「ゴースト・イン・ザ・シェル」
劇場公開日 2017年4月7日

 

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時流とは少し遅れて世に出てはいるものではあるが、中国資本のハリウッド映画が続く。個人的にそれ自体に違和感はありません。

 

しかし「キングコング 髑髏島の巨神」のような、日本カルチャーオマージュに溢れた、中国資本のハリウッド映画ということになると、「え?何?誰?」みたいな。そのデキはワールドワイドな共作、と言えば聞こえがいいが、量産体制の製作委員会という結果に終わっている。

 

「マーヴェル」や「ディズニー」のように、映画自体がコケても回収手段があるならともかく、日本のマンガ、アニメを原作として、マニアな作家がオマージュたっぷりに、巨額の製作費を投じていることには正直、戸惑いしかない。

 

結果が悪すぎれば、「その原作が好きで」がスタートだったのに、結果的に、「この原作のせいで」、ということにもなりかねない。

 

僕は原作は知らないし、もっと言うと、マンガやアニメに対して、日本人としての誇りはもつほど理解できてません。

 

 

 

「ゴースト・イン・ザ・シェル」

 

良くも悪くも、「キングコング 髑髏島の巨神」とまったく同じような見解になりますが、あちらが怪獣映画に対するオマージュたっぷりなら、こちらも同様にいたるところに原作への思いを感じる。

 

だが、本作、あちらより苦言が多くなるのは、やはりというか、「それ」以上のことをやろうとしていないからです。

 

「既視感」

よく言われるように、映像は「ブレードランナー」。登場人物はちょっと弱い「ブラックウィドウ」。内容は「ロボコップ」という自分探し。

 

 

「オマージュを良し」として、それを超えようとしない。

 

それは監督の作家性か、製作委員会の弊害かはともかく、オマージュだけで作品を語るだけではおしまいである。監督は原作のファンだということだから、まあ、そういうことだろう。

 

スカ姉さん起用の事情の反転か、やたら背景に力とお金をかけ、「見た目の世界観」だけはしっかり構築している。

 

個人的には、スカ姉さんが、その「姿」をある意味惜しげもなくさらす姿勢には素晴らしいと感じるが、そもそも「攻殻機動隊ファン」には、そのスカ姉さんの「むっちりな姿」は必要としていないわけで。

 

僕のような単なるいち映画ファンとしては、スカ姉さんでまったく問題ないわけよ。

 

 

そういう意味でも「製作委員会」的な「本来の思いとはちがった真逆の決定」が、そもそも「映画化不可能」な作品であった、という結論になるわけだ。

 

さいごに

桃井かおり

ハスキーボイスとタマゴ肌と独自の世界観を持った役者、という共通点がぴったりはまって、両者が面と向き合ったときは、まさにシンメトリーな絵で、ああ、ここだけはオリジナルを超えようとしてるな、少しだけうれしかったりした。

 

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