「ロスト・バケーション」 美女とサメの正しい関係

ロスト・バケーション
劇場公開日 2016年7月23日

 

サメ映画と美女ブレイク・ライブリー主演、となれば、「スター俳優」に配慮しながらも、どれだけセクシーな絵、演出ができるか、という監督の腕見せどころ、という映画だろうなと思ったら、まあ、そういう映画でした。

 

 

原題は「The Shallows」。

意味は「浅瀬」。形容詞では「浅はかな」。なるほど、どちらでも取れる内容ではあります。「ロスト・バケーション」。邦題もまんざら外れでもない。

 

ライブリー演じるナンシーは、友達を置いていき、一人誰も知らない秘密のビーチに現地人の案内でたどり着く。この過程はまあ、あまり意味はないのだが、延々とナンシーは携帯をいじり、にわかにこの現地人のいうことを相手にしていない、というか、バカにしている感があります。

 

となれば、この案内人がわざわざ秘密のビーチに案内するにも関わらず、ビーチの名前を言わないので、普通のホラーなら、ブロンド美女を「サメ」に食わせる案内人、でもいいんですが、そうでもないところが少し甘口です。

 

そのあとは、現地のサーファーの意見を聞かなかったり、一人、謎のビーチにきたこと、父親とのしょうもない喧嘩など、「浅はかな」行為が今回の危機に出くわす羽目になるという、ホラー映画な展開。

 

だが、本作、そもそもライブリーのいろんな顔、表情を余すことなく、映像に焼き付けることだけが目的の映画。そんな背景は演技派美女ライブリー出演を「説得」「納得」させるだけの設定でしかないと思われます。

 

サーフシーンや、凝りに凝った海上、特に終盤の発光するクラゲ群を背にしたシーンなどもライブリーのためだけです。特に「横乳」とそっくりな島を序盤に見せといて、ラストにしっかり寝姿からの「横乳」映像にはありがとうと言いたいです。ビキニのブレイク。日差しを受けるブレイク。寒がるブレイク。痛がるブレイク。まさしくブレイク祭り。その点には全く不満はありません。

 

ライブリーを担ぎ出すのに必要だった「ドラマ性」が実のところ、スカスカなのは、はじめから期待していないので、それでいいのです。

 

だが、それでも後半のサメ退治には、「強い女」、「立ち上がる女」の描写っていつまでこんなテンプレなのか、という非現実的なもの。

 

「浅はか」な自分を奮い立たせ、覚悟を決め、「浅瀬」というあと一歩のところで立ちふさがる脅威に立ち向かう、というテーマがあるのであれば、「サメ」なんて実はどうでもいい存在なのだから、ああいう、「ラッキー」な退治方法じゃだめなんじゃないでしょうか?

 

良かった点も。

映像が海上、海中ともに幻想的なものもあったが、一方、音響効果も相まって、観客もそこにいるような感覚になるほど臨場感があった。特に最初の、海中に何か潜んでいるかも、というドッキリシーンは非常に素晴らしかった。

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