「ナイスガイズ!」ネタバレ 「ラ・ラ・ランド」へ駆けつける前に。

「ナイスガイズ!」
劇場公開日 2017年2月18日

 

 

シェーン・ブラック

 

 この名前を聞いて「アイアンマン3」を思い浮かべるのは今の映画ファン。

 僕は、というと、言わずもがなの、バディ・ムービーの傑作「リーサル・ウェポン」の脚本家。

リーサル・ウェポン【Blu-ray】 [ メル・ギブソン ]

価格:1,100円
(2020/8/22 13:07時点)

リーサル・ウェポン2 炎の約束 【Blu-ray】

価格:2,250円
(2020/8/22 13:06時点)

 もっというと、ブルース・ウィリス、トニー・スコットの大傑作「ラスト・ボーイスカウト」の脚本家。

ラスト・ボーイスカウト [ ブルース・ウィリス ]

価格:1,100円
(2020/8/22 13:08時点)


 そしてシュワルツェネッガー、ジョン・マクティアナンの、最後のひねりっ屁な傑作「ラスト・アクション・ヒーロー」の脚本家。

ラスト・アクション・ヒーロー [Blu-ray]

価格:1,650円
(2020/8/22 13:10時点)

 その脚本家が、いまをときめくライアン・ゴズリング、今は落ちぶれラッセル・クロウを主演にバディ・ムービーを撮ったという。

 ライアン・ゴズリングはあっちの映画もあるが、僕的にはまずこっちである。

 

 

「ナイスガイズ!」

 

ナイスガイズ!【Blu-ray】 [ ラッセル・クロウ ]

価格:5,170円
(2020/8/22 13:11時点)

 オープニング。いきなりのクルマが家屋に突っ込む。セクシー美女が死ぬ。

 序盤から全編、シェーン・ブラック自身の、最高だったころのセルフ・オマージュ、パロディが続いて楽しい。主人公が探偵で、娘とのやり取りはまさしく「ラスト・ボーイスカウト」だし、ゴズリングの、夢の中は「ラスト・アクション・ヒーロー」のアニメとの共演を彷彿させる。

 

 

だが、だがしかし。

 

 

 では本作が面白かったかというと、そうでもない。

 排気ガスによる大気汚染、デトロイトの自動車産業の衰退を暗示させる展開、ポルノ業界の繁栄など、70年代の時代の絵作りにはスキがない。物語や設定は確かに楽しい。

 だが上滑りのギャグと、スローなアクションのせいで、ノリを殺す。

 ゴズリングは喧嘩の弱い探偵という設定だが、それとトロいアクションとは別の話だ。

 さらに、悪役がなんだか時代に翻弄されたかのような動機の事件ゆえ、鑑賞後すっきりしない。体が90年代アクションに対して、悪役にそんな妙な今風な味付けをしてもらっても困るのだ。

 もっといけないのは、散々ポルノビデオを事件のカギとして引っ張っておいて、それを見せることなくただのマクガフィンにとどめておくとは、どこが90年代風や(。・ω・)ノ゙という。

 そこはエンドロールで見せましょうよ、と。

 

さいごに

 ライアン・ゴズリング。「ドライヴ」でも思ったが、クラシックな顔立ちが本作にはピッタリ。ラッセル・クロウも醜い腹がイイ。

 だが、当時の作品群を知っているものにとってみると、この名優二人を使って「90年代アクションのパロディ」に終わってしまっていることはとても悲しいのである。

コメント