「ナイスガイズ!」
劇場公開日 2017年2月18日
この名前を聞いて「アイアンマン3」を思い浮かべるのは今の映画ファン。
僕は、というと、言わずもがなの、バディ・ムービーの傑作「リーサル・ウェポン」の脚本家。
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もっというと、ブルース・ウィリス、トニー・スコットの大傑作「ラスト・ボーイスカウト」の脚本家。
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そしてシュワルツェネッガー、ジョン・マクティアナンの、最後のひねりっ屁な傑作「ラスト・アクション・ヒーロー」の脚本家。
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その脚本家が、いまをときめくライアン・ゴズリング、今は落ちぶれラッセル・クロウを主演にバディ・ムービーを撮ったという。
ライアン・ゴズリングはあっちの映画もあるが、僕的にはまずこっちである。
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オープニング。いきなりのクルマが家屋に突っ込む。セクシー美女が死ぬ。
序盤から全編、シェーン・ブラック自身の、最高だったころのセルフ・オマージュ、パロディが続いて楽しい。主人公が探偵で、娘とのやり取りはまさしく「ラスト・ボーイスカウト」だし、ゴズリングの、夢の中は「ラスト・アクション・ヒーロー」のアニメとの共演を彷彿させる。
では本作が面白かったかというと、そうでもない。
排気ガスによる大気汚染、デトロイトの自動車産業の衰退を暗示させる展開、ポルノ業界の繁栄など、70年代の時代の絵作りにはスキがない。物語や設定は確かに楽しい。
だが上滑りのギャグと、スローなアクションのせいで、ノリを殺す。
ゴズリングは喧嘩の弱い探偵という設定だが、それとトロいアクションとは別の話だ。
さらに、悪役がなんだか時代に翻弄されたかのような動機の事件ゆえ、鑑賞後すっきりしない。体が90年代アクションに対して、悪役にそんな妙な今風な味付けをしてもらっても困るのだ。
もっといけないのは、散々ポルノビデオを事件のカギとして引っ張っておいて、それを見せることなくただのマクガフィンにとどめておくとは、どこが90年代風や(。・ω・)ノ゙という。
そこはエンドロールで見せましょうよ、と。
ライアン・ゴズリング。「ドライヴ」でも思ったが、クラシックな顔立ちが本作にはピッタリ。ラッセル・クロウも醜い腹がイイ。
だが、当時の作品群を知っているものにとってみると、この名優二人を使って「90年代アクションのパロディ」に終わってしまっていることはとても悲しいのである。
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